神経学的検査の種類

ジャクソンテスト

頚椎捻挫や頸部挫傷といった、いわゆる「首のむち打ち」の場合に行われるテストです。
頚部の神経根が圧迫されているかどうかを確認するためのもので、座った状態で頭を後ろに逸らし、これを検査実施者に上から下に押してもらいます。この際に肩や腕、指先などに痛みやしびれが誘発されるかどうかを確認します。
なお、患者の主観に依存するテストなので、この検査で陽性所見が見られたとしても必ずしも後遺障害に該当するというものではありません。

スパーリングテスト

ジャクソンテストと同様に、「首のむち打ち」の場合に行われるテストです。
頭を後ろに逸らしたうえ、左右に傾け、検査実施者が上から下に押し下げます。この際に方や腕、指先などに痛みやしびれが誘発されるかどうかを確認します。
なお、患者の主観に依存するテストなので、この検査で陽性所見が見られたとしても必ずしも後遺障害に該当するというものではありません。

ドロップ・アーム・テストとは

肩部の受傷後に、同部位の腱板断裂があるかを調べるために行われるテストです。
まず、被験者は座り、検査実施者は被験者の後方に立ちます。その後、被験者の手首を持ちそのまま肩関節を90度以上外転させます。そこで手を離し、被験者が自力でゆっくりと腕を下ろすようにします。このときに、ゆっくりと下ろせない場合や、途中で脱力して腕が急降下する場合には陽性となります。

アプレー・スクラッチテストとは

肩関節、鎖骨、肩甲骨などの、主に肩部位の動きや可動域を調べるためのテストです。このテストで陽性となると、棘上筋腱が損傷しているといえます。
まずは、ドロップ・アーム・テストと同様に、被験者は座り、検査実施者は被験者の後方に立ちます。その後、被験者が手を頭の後ろに回して、その腕の反対側の肩甲骨に触れるようにします。その後は今度は腕を下げ、下から背中に回して反対側の肩甲骨に触れるようにします。このときに、肩の部分に大きな痛みが生じた場合には陽性となります。
肩部位の打撲等の後、根強く痛みが続くようであれば実施を検討しましょう。

ラセーグテスト(SLRテスト)とは

腰椎捻挫後の痛み、特に坐骨神経痛を調べるために行われるテストです。
平らな場所に仰向けになり、ひざを伸ばしたまま片足を上にあげていきます。30度以上痛みなくあがった場合には、陰性となりますが、30度までの間で痛みや痺れが生じたり、30度まであげることができなかった場合には、陽性となります。
このテストは腰椎のL4・L5部位の神経及び仙骨のS1・S2・S3の部位の神経に負荷をかけることによって、当該部位の神経圧迫があるかどうかを確かめることが目的です。腰椎捻挫に伴って、これらの部位の椎間板ヘルニアが疑われるようであれば、このテストの実施を検討しましょう。

FNSテスト

腰椎捻挫後の痛み、特に坐骨神経痛を調べるために行われるテストです。
ラセーグテストとは逆に、平らな場所にうつぶせになり、臀部を手で固定された後、膝を90度曲げます。そして、そのまま検査実施者に、膝を持ってふとももを持ち上げながら股関節を伸ばしてもらいます。このとき、ふとももに痛みや痺れが生じる場合には陽性となります。
このテストは、L2・L3・L4の間で神経圧迫があるかどうかを確かめることが目的です。腰椎捻挫に伴って、これらの部位の椎間板ヘルニアが疑われるようであれば、このテストの実施を検討しましょう。

バレーの圧痛点(Valleix point)とは

バレーの圧痛点(「バレーサイン」ということもある)とは、フランス人のバレーさんという医師が見つけた局所圧痛点のことです。神経痛がある場合には、この圧痛点を圧迫すると痛みが生じます。
交通事故でまま見られる、腰部受傷後の坐骨神経痛の場合には、臀部の下部を圧迫し痛みが生じるか否かで判断されます。
なお、似た名前の検査として「バレー徴候(バレーサイン)」というものもありますが、これは錐体路障害(運動障害)の有無を検出するもので、バレーの圧痛点とは別物です。

深部腱反射とは

腱反射とは、腱を打鍵機と呼ばれゴム製のハンマーなどで叩き、これによって生じる反射の程度を見るテストです。みなさんも、膝を叩いて無意識に足が上がったという経験があるかもしれません。
腱反射の結果は、「陽性」か「陰性」かではなく、「亢進」「軽度亢進」「正常」「低下」「消失」と段階を分けて示されるのが一般的です。
脳や脊髄などの神経疾患の場合には、反射は「亢進」していきます(反射の程度が大きくなります。)。
逆に、末梢神経である神経根に異常がある場合には、反射は「低下」していきます(反射の程度が小さくなります。)。

叩く部位は、受傷部位や異常の疑われる部位によって様々ですが、一般的なのは、
・上腕二等筋
・上腕三等筋
・腕橈骨筋
・膝蓋腱反射
・アキレス腱
あたりです。
腱反射は、ほかの神経学的検査と異なり、患者の意思で結果を変えづらい検査ですので、後遺障害の等級認定を受けるうえでも、かなり重要視されています。とりわけ、画像上異常が見つかった場合には、腱反射の結果が当該異常部位と整合すれば、大変有力な資料となります。
もっとも、腱反射の結果が、画像所見等と合致していない場合には、整合性がないとして、後遺障害認定が否定される原因ともなりますので、諸刃の剣と言えます。
それだけ、重要な検査だということです。

病的反射とは

深部腱反射テストは、通常の反射と比べて亢進しているか(大きいか)、低下しているか(小さいか)を見る検査です。
他方同様に「反射」とつく病的反射検査は、通常はそのような反射が生じないものです。これは、中枢神経に障害が生じている場合に生じる現象です。
異常が起きている神経の部位によって検査の仕方は変わりますが、代表的なものは以下のとおりです。

ホフマン反射
被験者の中指を挟み、その指の爪を手のひら側に弾きます。
これにより、親指が内側(手のひら側)に曲がれば陽性となります。
トレムナー反射
被験者の中指を伸ばした状態で、その指の腹の部分を弾きます。
これにより、親指が内側(手のひら側)に曲がれば陽性となります。
バビンスキー反射
被験者の足の裏を、とがったものでかかとからつま先へ向けてゆっくりとこすります。
これにより、その足の親指が足の甲側にゆっくり曲がり(反り)、その他の4本の指が扇状に開くと陽性となります。

病的反射検査も、腱反射検査と同じように、意識的に陽性結果を起こすのが難しいため、神経学的検査としては重要な意味を持ちます。

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