身体障害者認定制度について

身体障害者制度とは、身体障害者福祉法に基づき、各都道府県が認定・支援を行う制度であり、自動車損害賠償保障法に基づき、自賠責保険が認定・支援を行う後遺障害制度とは別の制度です。
身体障害者制度は、先天的な障害に限らず、交通事故による受傷など後天的な障害についても認定・支援の対象となります。そのため、交通事故被害者の皆様にあっても、できる限りの公的な支援を受けられるよう身体障害者制度の利用を検討する必要があります。

身体障害者認定制度の概要

身体障害者は、大きく、①視覚障害、②聴覚障害、③言語又はそしゃく機能障害、④肢体不自由、⑤心臓、腎臓又は呼吸器の機能障害の5つに分類されています。いずれも、「永続するもの」が身体障害とされるための条件となるため、このような障害の性質が後遺障害との混同を生じさせる要因となっていると考えられます。

身体障害者障害程度等級表


肢体不自由

肢体不自由には、体幹、上肢、下肢の3つの「機能障害」の認定基準があり、以下のように整理されます。

<体幹機能障害>

第1級 体幹の機能障害により坐っていることができないもの
第2級 ・体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことが困難なもの
・体幹の機能障害により立ち上がることが困難なもの
第3級 体幹の機能障害により歩行が困難なもの
第5級 体幹の機能の著しい障害

<上肢機能障害>

第1級 ・両上肢の機能を全廃したもの
・両上肢を手関節以上で欠くもの
第2級 ・両上肢の機能の著しい障害
・両上肢のすべての指を欠くもの
・一上肢を上腕の二分の一以上で欠くもの
・一上肢の機能を全廃したもの
第3級 ・両上肢の親指と人差し指を欠くもの
・一上肢のすべての指を欠くもの等
第4級 ・両上肢の親指を欠くもの
・一上肢のすべての指を欠くもの等
第5級 ・両上肢の親指の機能の著しい障害
・一上肢の肩関節、肘関節、又は手関節のうち、いずれか一関節の機能の著しい障害等
第6級 一上肢の親指の機能の著しい障害等
第7級 一上肢の機能の軽度の障害等

<下肢機能障害>

第1級 ・両下肢の機能を全廃したもの
・両下肢を手関節以上で欠くもの
第2級 ・両下肢の機能の著しい障害
・両下肢を下腿の二分の一以上で欠くもの
第3級 一下肢を大腿の二分の一以上で欠くもの等
第4級 ・両下肢のすべての指を欠くもの
・一下肢を二分の一以上で欠くもの等
第5級 一下肢の股関節又は膝関節の機能の著しい障害等
第6級 一下肢の足関節の機能の著しい障害等
第7級 両下肢のすべての指の機能の著しい障害等

視覚障害

第1級 両眼の資力の和が0.01以下のもの
第2級 ・両眼の資力の和が0.02以上0.04以下のもの
・両眼の視野がそれぞれ10度以内で、かつ、両眼による視野について視能率による損失率が95%以上のもの
第3級 ・両眼の資力の和が0.05以上0.08以下のもの
・両眼の視野がそれぞれ10度以内で、かつ、両眼による視野について視能率による損失率が90%以上のもの
第4級 ・両眼の資力の和が0.09以上0.12以下のもの
・両眼の視野がそれぞれ10度以内のもの
第5級 ・両眼の資力の和が0.13以上0.2以下のもの
・両眼の視野の3分の1以上が欠けているもの
第6級 一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので、両眼の視力の和が0.2を超えるもの

※視能率とは、評価方法の一種であり、視野計を用いて視野の角度を測定する方法です。

聴覚障害

第1級
第2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの
第3級 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
第4級 ・両耳の聴力レベルが80デシベル以上のもの
・両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの

※デシベルとは、オージオグラフという機械を用いて測られる聴力の指数をいいます。
※語音明瞭度は、補聴器作成の際に用いられる専用の機器を使い測ることになります。

心臓の機能障害

第1級 心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
第2級
第3級 心臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
第4級 心臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

呼吸器の機能障害

第1級 呼吸器の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
第2級
第3級 呼吸器の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの
第4級 呼吸器の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

※呼吸器の機能障害の有無は、肺活量や血中の酸素濃度を検査することによって明らかにします。

身体障害者認定の認定基準

身体障害者認定制度は、各都道府県が主体となって確立する制度であるため、全国で一様のものとまでは言えません。以下では、東京都の認定基準を参考に、認定基準をご紹介いたします。

1.身体障害とは、永続的な状態を前提としているため、一時的能力での認定はされません。
2.肢体の疼痛又は筋力低下等の障害は、医学的に証明されることを要する
3.全廃とは、関節可動域が10度以内徒手筋力テストで2以下に相当するもの
4.加齢又は精神機能の衰退に起因する日常生活動作不能の状態は、それをもって身体障害と認定することは適当ではないとされています。
5.上肢における「著しい障害」とは、握る、掴む、なでる、物を持ち上げる、運ぶ、投げる、押す、ひっぱる等の基本的動作から判定されます。例えば、5kg以上のものを持ち上げられない場合は、著しい機能障害があると認定されることが多いです。
6.下肢における「著しい障害」とは、歩く、平衡をとる、登る、立っている、身体を廻す、うずくまる、膝をつく、坐る等の基本的動作から判定されます。例えば、1km以上歩行することが困難な場合は、著しい機能障害があると認定されることが多いです。


以上の認定基準はあくまでも一例にすぎません。体幹、上肢、下肢等様々な部位や症状の程度によって、より詳細な認定基準が用意されています。ご自身に残ってしまった身体障害がいずれの等級に認定されるものかは、各市区町村の役所窓口にてご相談ください。
共通してご案内できることとしては、いずれの等級認定にあたっても、医師による医学的な証明が必要となるため、医療機関を受診の上、実際の症状を医師に評価していただく必要があります。

公的支援の内容

身体障害者の方は、国の制度として、特別障害者手当等の金銭的な援助を受けることができます。また、各都道府県の制度として、重度心身障害者手当(東京都の例)、各市区町村の制度として、障害手当を受けることができます。
例えば、特別障害者手当としては、1級や2級の認定を受けている成人であれば、月額2万6440円を受け取ることができます。また、重度心身障害者手当は、月額6万円の支給を想定しています。
各手当の受給要件や受給額については、各市区町村の役所窓口にて案内を受けることになります。

障害者認定から公的扶助を受けるまでのながれ

①事前準備
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口から、専用の身体障害診断書・意見書を受け取り、医師に作成を依頼してください。

②申請
お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に上記書類を提出し、申請手続を行います。

③認定
認定が下される場合、通常1ヶ月程度で身体障害者手帳が交付されます。
手帳の交付は、障害福祉担当窓口に実際に受け取りに行く場合が多く、郵送での送付は例外的な方法です。
認定結果に不服がある場合、再認定制度が用意されています。再度身体障害診断書・意見書の作成を医師に依頼し、再申請を行うことになります。

公的支援の利用

交通事故等により重篤な障害を負ってしまった方は、加害者への賠償請求とは別に、このような公的な支援を受けることができます。また、場合によっては、医療機関への受診料が免除されるケースもあります。

当事務所としては、被害者の方の入通院支援、生活環境を整える支援をより一層充実させるため、このような公的支援制度の利用もご案内しています。是非一度当事務所の弁護士にご相談ください。

ご相談は無料です。お気軽にご相談ください! 0120-300-700 【受付時間】9:30~21:00 土日祝日は予約制です。お問い合わせ月~金 9:30~21:00
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